散歩
あまりにも天気がいいので近所のコンビニへ漫画を買いに行くついでに散歩をした。
昔はコンビニもなく、コンビニが角になっている信号もなく、なんならその道すらなかった。子供の頃そこの道は砂利が敷き詰められていて、いつまでも砂利道なのでそのままなんだろうと思っていた。今考えればアスファルトの下地だった。よくそこで花火をして遊んでいた。
兄の友達が裕福で、たくさん花火を買ってました。横に倒すと暴れて面白いのでそれで花火から逃げ回ってたりして面白かったな。
やがて舗装されたけどまだ車は全然通ってなくてローラースケートしてた。
小さな頃からアイススケートができたのでローラースケートもすぐにできた。
コンビニの帰り道は前に住んでいた家の方へ歩みを向けた。
今住んでいるところから四百メートルくらい離れた所だ。
少し前にその近くに喫茶店ができたというので見に行きたかったのだ。
小さな鉄工所はもうとっくに取り壊されて家が建っていた。
小さな池も埋め立てられて家に。
それはまあ知ってたんだけど昔のことを色々思い出してた。
田んぼが多かったので水路に小さな階段が付いていてそこで洗い物ができるような場所が二箇所あったんだけど、それもなくなってた。
そこで母親が便器を洗ってたな。
軽トラがギリギリ通れるくらいの細い路地を歩く。
幼い頃の友達の家の前を通る。
数年前のお盆にお墓で会った。今も住んでいるはずだ。
そこから少し北にはヤクザの家があって、郵便配達のバイトをしてた時には紋の入った年賀状が届いてた。でもそういう所のほうが挨拶はきちんとしていた。他のところでは「郵便です」と言ってもこっちをじっと見てるだけで何も言わない人が多かった。
でもヤクザはだめよ。餅つきとかハロウィンとかで近所の人が子供連れて本部に行くっていうニュースが風物詩だけどバカじゃないかと思う。
喫茶店があるという辺りはもう過ぎたけど何もなかった。また詳しく聞いてみよう。
少し西に小さなお寺がある。そこは前住んでいた家の本当に近所。はす向かいだ。
子供の頃、そこのお寺にお米を持っていくとご馳走が食べられるというなんか不思議な行事があって僕と兄と従兄弟との三人で行ったことがある。
お膳にきちんとした食事が出てきて(いわゆるご馳走ではなかったけども)緊張しながら食べた思い出がある。お寺なんだけどあまりお寺らしくないところだったなあ。人の出入りもないしお坊さんがいたわけでもないし。おばさんが上品で優しそうでいい人だった。
そのお寺の前の道を通った。昔あった公民館はお寺の敷地になっていた。木造のボロボロの公民館だった。机も木の寺子屋みたいな机で年季が入ってた。床の板なんか節の穴が空いてたからね。
そこを少し歩くと友達の親戚のお姉さんの家。いわゆる幼い頃の憧れのお姉さん的な感じの人だった。優しくて綺麗な人だった。
その隣が幼馴染の子の家。元町の電気屋。うちの電化線品はほとんどここで揃えた。ラジカセも買ったなあ。乾燥機とミキサーはまだ使ってる。ノベルティーでギャートルズのコップのセットを貰ったけどまだ新品であるはず。冷蔵庫は壊れた。
また少し歩く。
田んぼの横に小さな畑があったのになくなってた。これも子供の頃その辺にいたらおじさんにネギの頭のボンボンみたいな球あるでしょ?あれを取っただろと言って文句を言われたことがある。取ってないのに。あれは本当に腹が立った。
まあそんな感じの散歩をして気持ちよく帰ってきました。
これから漫画読みます。