改宗した話
トピック「宗教」について
改宗といっても元々家が浄土真宗ってだけで浄土真宗を信じているということではありませんでした。教えも知らないし。ただお経が南無妙法蓮華経だったりお葬式の作法とかいくつかのしきたりが違うくらいだと感じていました。
僕はモルモンです。
もう名前からして怪しいとかカルトとかという印象を持つ人もいるかと思いますが、キリスト教です。正式名称は「末日聖徒イエス・キリスト教会」。
末日は末の日という意味ですね。終末思想とかではないんですが、人類が生まれてから今まで、人の間から宗教がなくなった時代が何回かあって、現代から後はもうなくなることはないということを信じています。末の日ですね。じゃあこの後はどうなるのか?というとイエス・キリストの再臨を信じています。現代がすでに末日です。
教会の名前にキリストの名前が入っているのでわかると思いますがキリスト教です。
アンチのページもたくさんありますし、多妻結婚をしていたことでも有名ですし、よく批判されているのを目にします。実際に個人的な経験として批判されることはあまりありませんが。
教会の内容は置いといて改宗したときの話です。
僕は会社に勤めて一年目くらいだったかな?まだ若く会社の同僚に勧められて車を買いました。同僚の知り合いの車だったんですが、車を見せる時に薄暗い駐車場や夜中の明るくない時を指定してきたので、あとで「ああ、あれは塗装をごまかすための手段だったんだな」ということを後で知りました。
まあそいつはひどい奴でしたね。もう二度と人生に関わって欲しくありません。
それはともかく社会人一年目の年末、母親と駅前に買い出しに出かけました。当時はお正月三が日はどこもお休みだったんですよ。いや、二日目には開いてる店も多くなってきた頃だったかな?
まあ車で駅前まで出かけ、母親と別れて時間を合わせて落ち合うことになりました。商店街を歩いていて、さあタバコを吸おうかなと(この頃は歩きタバコも普通で僕もよくしてました)ポケットに手を突っ込んだとき、外人さんが話しかけてきました。
「あなたはジョセフ・スミスを知っていますか?」
「え?(誰やねん)知らないです。」
「え?知らないんですか?」
と言って驚かれました。
「これが噂の、アナタハカミヲシンジマスカ?かー!」と心の中で叫びました。
まあ今思えば本当に驚いたというよりは適切なリアクションだったんでしょう。日本人が知らないことは彼らも痛感していたはず。
で、モルモン書を渡されてあとでことの本の感想を聞かせてくださいと言われたので「高価そうな本だな。返さないと。」と思ったので約束を作って返しに行きました。
本の内容はさっぱり分からず。昔の物語というのは分かるんですが内容はさっぱり。
さあ返しに行こう。
当時はナビもなく教会の場所を探すのにも一苦労。三角屋根の教会を探していたけどまったく見当たらず。いろんな人に聞いたり本屋で地図を買ったりして探しました。
待ち合わせ時間をずいぶんと過ぎていたんですが、ある通りを走っているときに外人さんが二人座っているのが見えました。
「あー!」と思って見ると向こうも気づいたみたいで顔が車を追いかけていました。すぐには止まれなかったので引き返してやっと会えました。かなり長いこと待っててくれました。
少し話して建物の中に入りました。彼らはお互い英語で喋っていて少し不安。
「こいつどうする?」
「外国にでも売っぱらっちまおうぜ」
とか話してんのかな?と想像してみたり。
で、正直に何を書いてんのかさっぱり分からないこと、物語に出てきた悪い人の先祖が聖書にも載ってる良い人だったことが面白かったことなどを話しました。
彼らは笑顔だしフレンドリーでこちらも外人が当時珍しかったのでなんだか嬉しいという気持ちもありました。
また自分でお金を貯めて、二年間伝道しているということを知りました。何故そこまでして伝道するんだろうと思いました。彼らの靴は底が剥がれてベロベロになっていました。また月曜日のミスタードーナッツの店の前にドーナッツがゴミ袋に入れられて捨てられているのを知っていて、それを持って帰ってテーブルの上にわんさか並べた写真を見せてくれました。楽しかった!
また約束を作って会ったりしてて、あるとき彼らの同僚が一人変わりました。彼らはちょくちょく転勤するのです。新しく来た宣教師はニキビ顔でリアクションが大きく面白い人でした。そしてとても優しいことが分かりました。
あるレッスンの時、僕が冗談めかして質問に答えたときに、そのニキビ顔の長老(男性の宣教師を長老と呼びます)が真剣な顔で。
「真面目に答えてください」
と言いました。
自分は根が素直なのか知りませんが、
「ああ、これは宗教の話なんだな。そうだ。真剣に答えないと。」
と思いました。
自分としてはそれが真実かどうかどっちでもよかったんです。
試してみて何も感じられなければ、これは嘘だと感じたらいつでもやめるつもりでした。そして試さずに断るのも愚かな感じがしました。
あるとき「祈ってくださいますか?」と言われました。
やだなって思ったけど促されてお祈りの仕方を書いた紙を見て覚えてお祈りしました。
その時に神様がいることを感じました。
こう書くと分からない人が読むとやっぱり怪しいんだろうなと自分でも思いますが、本当にね、よい気持ちを感じました。
その時の自分は信仰があったわけでもないとずっと思っていましたが、今思うと祈ってみたことが信仰だったのかもしれません。
モルモン書には序文に書かれている約束があります。
誰でもモルモン書を読んで、その本が真実かどうか祈り求めるなら誰でも答えを受けることができます。
これを読んで「ウソつけ」と思っている人でもです。そう思っていても実際に信仰を働かせて、読んで祈るなら答えを受けることができます。自分で感じることができます。
それは誰から強制を受けるものではありません。自分で分かるんです。
もちろんそれを否定するのも自由ですが。それは他の人からは分かりませんし。
わたしたちはあらゆる地に住むすべての人に、『モルモン書』を読み、この書物に含まれている教えを心の中で深く考え、そして、この書物が真実かどうか、キリストの名によって永遠の父なる神に問うようにお勧めする。この手順を踏んで、信仰をもって問う人々は、『モルモン書』が神から与えられた真実の書物であるという証を、聖霊の力によって得るであろう(モロナイ書第十章三―五節)。
序文からの引用
それがきっかけで改宗しました。
声をかけてくれた宣教師から改宗の儀式(バプテスマといいます)を受け今でも時々連絡をくれます。彼は伝道が終わってからMBAを取って日本の自動車関係の内装品の会社のCEOになっています。日本に来た時は電話をくれたりします。一時期Facebookのアカウントの凍結をくらったみたいでしたが最近復活しました。出会った当時は細くてサラサラヘアだったのに今ではブルース・ウィリスみたいになっています。前向きでとてもいい人です。